ドラマーのよくある悩み、「走ってしまう」について。

リズムを叩いている時、フィルインをする時などに、どうしても「走っちゃう」という悩みをよく聞きます。
悩んでいるならまだいい方で、走っていることにすら気づいていないという人もチラホラ。

そんな、ワイルドな走り屋さん気質を解消する「5つのチェックポイント」をご紹介します。

1.椅子が高い

いわゆる姿勢が悪いってやつです。重心が前のめりになっている可能性があります。

重心が前にあると、思っていたタイミングよりも前に行きがちです。特に「フィルインの時に走る!」という方は、フィルイン前後に微妙にバランスが前に崩れちゃって、走り気味になっている可能性があります。

ドラムを叩く時、重心の位置はとても重要。基本的には中心にドッカリと重心を置いて、どの姿勢でもバランスを崩さないという状態が基本ですね。

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photo by drummerworld.com

よくある改善方法として「椅子の高さを変える」という方法があります。前のめりになっている人は椅子の高さが高すぎる椅子に浅く座りすぎていることがあります。

ドラム椅子の高さ・座り方については、こちらのエントリーで紹介しています↓
ドラム椅子の座り方。高さや座る位置を決めるポイントは?

2.バスドラムが突っ込みぎみ

バス・ドラムを踏む時に「前に突っ込みがち」になる方が多いです。

リズムキープができずに走っちゃう!という方は、バスドラム(フットコントロール)の基礎がちゃんとできているか?を再確認してみましょう。

手のストロークは練習するけど、足の練習って住宅事情を考えるとなかなか難しいです。そのためフットコントロールがウィークポイントになりがちです。

「ペダルを踏んだ時に、上体がよろける」ようであれば、練習不足ですね。

バランスが崩れている可能性もあるので、椅子の位置や高さが合っているかもチェックしてみてください。

3.左手が突っ込みぎみ

これは左手が…というか、「右手にしか意識が行っていない」というイメージですね。

フィルインの時に走っちゃう!という方は、左手がちゃんと「意識通りに動いているか(神経が伝わっているか)」を確認しましょう。

右手と同じように、左手にも繊細な感覚が通っているか?をチェックしてください。左手が「まるで自分の手じゃない」みたいな感覚であれば、まだまだ練習不足です。
その時は、左手に集中して練習をしてみるとよいでしょう。

左手のリズムが崩れることにより、フィル全体がヨレちゃうってことがあります。

4.心臓がバクバク

これは精神的な問題です。

ライブの時とかに「いつもの通りに演奏したつもりなのに、後から音源を聞くと超速い!」って経験がある方も多いでしょう。

緊張すると心臓の鼓動が速くなります。脳内も興奮状態でアドレナリンが大量発生です。そんな状況の場合、いつもの速度感覚が狂います。自分が普通と思っている速度が、ちょい速い状態になるんですね。

では、どうすればいいか?
これは「たくさん練習して、たくさん経験を積む」しかないです。

自分に自信があれば、極度に緊張する事はなくなりますし、体に染み付く速度感も正確になります。

ちなみに、「フィルの時だけ走る」という方は「フィルの時に緊張して瞬間的に興奮する⇒走る」というケースもあります。
フィルだからと言って気負いすぎると、良いことはありません。

5.走っていることに気づいていない

タイム感が全然身についていないケース。こういう方は、走っていること自体に気づいていないことが多いです。

まずは「客観的に指摘してもらう」ことからスタートしましょう。バンドメンバーでもいいですし、練習を録音して後からじっくり聴いてもいいです。

ただ、後から聴いても「自分が走ってると気づかない」という人もいます。セルフチェックはなかなか難しいので要注意です。

練習はたくさんしているけどメトロノームを使っていないという方は危険です。
走りがちなリズム感が「正しい感覚」と間違えて、体が覚えてしまう可能性があります。

そうなると、崩れたリズムに全く気づかない困った状態になります。

まずはスタートラインに立つことから

結局は「練習あるのみ」という結論になってしまうが、その中でも、

  • 姿勢を確認する
  • 足の練習をちゃんとする
  • 左手を強化する

などの基本練習をメトロノームを使ってちゃんと練習すれば、「自分の意図通りに身体が動かせる」ようになります。そうすれば、ドラムが走ってしまうクセが徐々に修正されていくと思います。だって、みんな普通に「歩く」ことはできますよね?…ってことは一定のペースをキープできるってことです。

…で、ここからが重要!

この「意図通りに身体が動かせる」ってのが演奏の大前提。これがちゃんと出来て、はじめてスタートラインに立った事になります。

なので、「いやー、リズムがキープできなくってさー」とか「走っちゃうんだよね。リズム感が無いのかな」みたいな事は、まずはスタートラインに立ってからすべきこと。

リズム感やグルーヴは、別のハナシ

リズム感がどうとか、グルーヴが…みたいなのは、実は全く別のハナシなのです。

ちゃんと身体が正確に・意図通りに動かせる事ができて、はじめて「自分の思うビートを体現できる」ようになります。

いくら自分の頭の中(心の中?)でナイスなグルーヴが流れていても、それを実現させるための身体の動きができていないと、ちゃんと脳内リズムをリアルに再生できません。

ってことで、どんな練習でも「メトロノームを使って、ちゃんと練習する」ことが重要です!
でもって、それは「意図通りに身体を動かすためのトレーニング」としてキチンとやりましょう!

基礎練習は長い時間やる必要はありません。「正しい基礎練習を正しい方法でやる」ことがポイントです。

追加でもう一つ!ちゃんとストロークしていますか?

そもそもストロークがしっかり叩けていない。そんな基本的なことが乱れている可能性もあり得ます。

叩く時のスティックのスピードや軌道が、叩く度に違うと、それだけリズムにムラが生じます。

ストロークの基本を見直してみるのも効果的ですよ。

まずは基本の叩き方↓
関連音が平坦でメリハリがないドラムから卒業しよう!

こっちは練習方法↓
関連タップ、アップ、ダウン・ストロークを使った練習方法

初心者におすすめの記事をまとめました。

「ドラムを始めたばかり」「これからドラムを始める予定」という、初心者の方は参考にしてくださいませ。
関連ドラム初心者が知っておくべき「基礎知識」と「練習方法」を学べる記事まとめ。

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