ドラムの基本的なグリップ、いわゆる「握り方」の話。
スティックの握り方は、大きく分けると、
「マッチドグリップ」と「レギュラーグリップ」があります。
目次
マッチドグリップ
マッチドグリップは、親指と人差し指でスティックをつまみ、他の指を軽く添える感じのグリップです。
まあ、普通に握るってイメージですね。
基本的に右手はマッチドグリップです。
なので、左と右で同じ持ち方をするってことです。
Rock系ドラマーは、ほとんどマッチドグリップですね。
レギュラーグリップ
一方、レギュラーグリップは、Jazz系のドラマーに多い握り方。(トラディショナルグリップとも言います)
マーチングバンドの演奏とかでもよくみかける、左手の持ち方が特殊なスタイルです。
そう!
いわゆるJazzドラマーっぽい握り方です。
基本的に左手の握り方ですね。右手をレギュラーで持つ人は見たことありません。
グリップの違いは?
さて、問題の握り方による違い。
私はレギュラーグリップ(Jazz風のやつ)から始めて、現在はマッチドグリップ(ロック系のやつ)にスイッチしたので、ガチガチの両刀使いです。
そんなガチ両刀プレイヤーが感じるポイントは3つあります。
パワーが違う
1つは、ずばり「パワー」の違い。
もう少し補足すると、パワーに加えて「どの場所でも無理なく、自然な体勢で叩けるか?」ということ。
これが技術的に一番大きな差かな?と思います。
マッチドグリップ(ロック風)の方が、スパーンという切れのよいバックビートが出しやすいです。
そして、スネアでもハイハットでも、フロアタムでも、自然な体勢とパワーで叩けます。
レギュラーグリップ(Jazz風)でもパワーが出せますが、かなり無理があります。どうしてもタムやフロアは叩きにくい…。左側のクラッシュシンバルもキツいですね。
もちろんコツをつかめば大丈夫。(実際、ヴィニー・カリウタのバックビートは凄いです。シンバルもビシバシ叩きます。)
レギュラーグリップ(Jazz風)の方が繊細に叩ける
2つ目は、繊細に叩けるか?の観点です。
これは、レギュラーグリップ(Jazz風)の方が繊細なタッチで、ツブが細かく整った音を出せます。(←少なくとも、私はそうです。)
なんでだろ〜?と考えてみると…
マッチドグリップ(ロック風)は、親指と人差し指でつまんだ「1点」で支えています。
そして、自分の目線からスティックをみると「手の甲の下」にスティックがあります。
そうなんです、スティックとの距離感をつかむ時、手の甲がちょっとだけ邪魔になる。
一方、レギュラーグリップ(Jazz風)の方は、親指&人差し指の水かき部分で挟む、さらに薬指で支えるという「2点」方式です。
そして、スティックがよく見えます。
この辺が、私なりの叩きやすさの理由かな?と思います。
まあ、文字を書くときも箸を使う時も、同じような目線でやってるので、その見え方に慣れてるだけかもしれません。
レギュラーグリップ(Jazz風)の方が、かっこいい・やりそうに見える
3つ目は、ずばり「かっこよさ・見た目」の違いです。
どっちがカッコいいというのは個人の好みです。
…が! 結局この「見た目」が最大のメリット・デメリットなのではないか?と思っています。
確実に気分的なモノが、レギュラーとマッチドで大きく違ってきます。パッと見の印象も違ってきますし、「こいつ、なんかやりそうだぜ…」という周囲からの期待感も違います。
マッチドグリップは、Rockでパワフル。スコーン!と気持ちいい音を出しそう…(まぁ、ある意味普通です。)
レギュラーは、Jazzっぽい、ちょっと上手そうに見える、おしゃれ、ただ者ではないぞ…(ちょっと違う、こだわりがあるぞ。)
グリップだけでそんな印象を与えるものです。(私の主観ですが…)
経験談:レギュラーからマッチドにスイッチ!
実は、私は10数年間レギュラーグリップ(Jazz風)一筋でした。
きっかけは、最初に教わったのがレギュラーグリップだったから。それだけです。
でも、マッチドグリップに転校はしませんでした。
やっぱりドラマーはレギュラーグリップだぜ!なんか他と違うぜ!上手いんだぜ!…と気分がアゲアゲになるから。理由はそれだけです。
レギュラーグリップ(Jazz風)で、ロックもメタルもパンクも叩いてました。
自慢ですが…私はレギュラーグリップで超パワフルに叩けます。シンバルもビシバシいけます。レギュラーでここまでバチコーン!といくドラマーっていないぜ!という優越感的なものもありました。
その時は突然訪れる
しかーし!ある時、マッチドグリップに急転換しました。
理由は、
「すげー!と思ったドラマーがマッチドグリップだったから。」
…ただそれだけです。
いや、薄々は感じていましたよ。レギュラーグリップ(Jazz風)って色々と不自然じゃ..?と疑ったこともありました。
でも、レギュラーグリップ(Jazz風)を手放すキッカケが無かったんですね〜。
そんな時、とあるライブを見に行って衝撃を受けたのです。
そう、このブログで頻繁に登場する「Gary Novak(ゲイリーノバック)さん」のドラミングです。
超すごかった、、そして手元を見てみると…「わぉ! マッチドグリップ(ロック風)じゃん!」。
その一瞬で、マッチドグリップにスイッチすることを決意したのであります。
結局、レギュラーグリップとマッチドグリップどっちがいいの?
はい、結論は「自分がいいなぁ〜と思う方」ですね。
叩いていて「オレかっこいい!」とか「このグリップいいだろ〜」みたいな気持ちになることって、かなり大切なんです。
気持ちが高まれば、自然と叩きだすサウンドも良い音になります。
そして、音楽は「聴かせるもの」+「見せる(魅せる)もの」ですからね。
スイッチは練習次第
どっちから始めてもいいです。途中でスイッチすればいいだけ。
ある程度ドラムが叩けるまで練習すれば、手の感覚、指の感覚が繊細になっているはずです。(神経が隅々まで通ってるイメージかな?)
その状態まで上手くなれば、スイッチするのも大変じゃないと思います。(みっちり練習が必要ですが。)
逆に、上手くなる前に「やっぱレギュラー、…でも、やっぱりマッチド」みたいにコロコロ変えると、基礎が定着するまでに時間がかかると思います。
まとめ
始めはマッチドグリップ(ロック風)の方が、右手も左手も同じように無理がない姿勢で叩けるので、どんなジャンルに対しても有利だと思います。
私がマッチドグリップに乗り換えた時に、実感したことは、
- シンバルが左手で叩きやすい!
- 左手でもパワーの出せるフレーズが叩ける!
- 左手が遠くまで(?)よく届く!
でした。
結論は、ずばり「好み」でございます。
「ドラムを始めたばかり」「これからドラムを始める予定」という、初心者の方は参考にしてくださいませ。
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