tempo-keep

ドラム上達の相談でよくあるのがこんな悩み。

  • リズムがキープできない、フラフラする
  • フィルインの時に速くなったり、遅くなったり、リズムが揺れてしまう

私が練習コンサルティングをする際、確認するのが「練習のやり方」です。何を叩いているか?ではなくて、どんな「やり方」をしているか?という点がポイントです。

速いテンポで叩いちゃダメ

練習のモチベーション的に「速いテンポで叩けるようになりたい!」という欲求はあると思います。シングルストローク、ダブルストローク、パラディドル、これらのスティック・コントロールを速く叩けたらスゲー!最高っす!ってなりますから。

しかーし!その練習は間違っています。(断言!)

ゆっくり確実に叩くのが練習

シングルストロークでも何でも、まずは「ゆっくりのテンポで叩く」というのが鉄則です。ただ叩くだけでは意味がありません。

  • ゆっくりのテンポ(超余裕のあるテンポ)
  • メトロノームに合わせて叩く
  • メトロノームに「キッチリ合うまで」叩けるようになる
  • 「音のツブがしっかり揃う」まで叩けるようになる

ちょっとでもメトロノームとズレたり、リズムが揺れたり、音にムラがあったら、その時点で「はい、できてませ〜ん。もう一回集中してやり直し!」という厳しい基礎トレーニングをするのです。

ハッキリ言って、この基礎練習はヒジョーに難しい(というか自分に厳しくないと続かない…)。
でも、この練習をちゃんとやって「正確にできるようになる」ことが本当に大切なのです。

ゆっくり叩くのは実は難しい

実際にストロークでも8ビートでもいいので、ゆっくりのテンポで叩いてみてください。実は速く叩くより、ゆっくり叩く方が難しいのです。

速く叩くのは肉体的に難しいだけ。でもゆっくり叩くのはリズムキープ的に難しい!超スローテンポのバラードを叩くとわかるけど、ゆっくりなテンポって相当な「精神力・集中力」が必要になるんです。

ゆっくりが確実に叩けてたらスピードちょいアゲ

ゆっくりのテンポで、確実に叩けるようになったら次のステップ。テンポを少しだけ上げて、再度同じことを練習しましょう。これを繰り返す内に、最初はテンポ60から始めて、徐々に80まで確実に叩けるという状態から、3日後には85まで確実に、2週間で90まで..100..120とレベルアップしていきます。

もちろん1日で上手くはなりません。1ヶ月2ヶ月と継続することで、徐々に速いテンポも確実に叩けるようになるってイメージです。

速く叩くのは勢いで誤魔化せる

速く叩くのは、ぶっちゃけ勢いをつければ叩けます。勢いで速く叩いて「できた!」と勘違いしちゃうのが一番困ったパターンです。勢いって「単に誤魔化しているだけ」ですから!

勢いで叩くと、まあ最初の2音(2打?)くらいは勢いに乗るための助走なので、ゴミというかノイズです。叩ける、音を出す、音楽するってのは、最初の1音からキッチリと意味のある音を出さないと意味がないです。

まとめ

「叩ける」という状態は、間違いなく・正確に・いつでも確実に、その音が出せる、そのリズムがキープできる状態ということ。”90%は上手くいく”でも「できない」と変わりません。ミュージシャンとして音を出すからには、自分の出す音に自信と責任を持つのです!

おさらい。
まずは「ゆっくり、確実に、正確に、”叩けるようになる”」。そして、テンポを上げて、そのテンポでも叩けるようになる、またテンポを上げて、そのテンポでも…の繰り返しが、上達への基本です。

そして、この練習は退屈で苦しい!!でもその苦しさを集中力と精神力で乗り越えて継続すると、「ある日突然上手くなる」というキレッキレの状態を体験できます。

最後にもう一つ!ちゃんとストロークしていますか?

そもそもストロークがしっかり叩けていない。そんな基本的なことが乱れている可能性もあり得ます。

叩く度にスティックのスピードや軌道が違うと、それだけリズムにムラが生じます。ストロークの基本を見直してみるのも効果的ですよ。

まずは基本の叩き方↓
音が平坦でメリハリがないドラムから卒業しよう!ストロークを細かく分解してメリハリのあるプレイを手に入れる方法。

こっちは練習方法↓
タップ、アップ、ダウン・ストロークを使った練習方法

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photo credit: Sean Molin Photography via photopin cc

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