ドラム教室のみっきー(@mickey_higashi)です。
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ドラムの練習で最も障壁となるのが、ずばり「騒音」です。
練習パッドや電子ドラムは、基本的に「消音」の性能を持っています。でも、いくら「消音」とはいえ、モノを叩く以上は「アタック音」に加えて「振動音」が必ず発生します。
アタック音の大きさはパッドの消音具合に依存するので、より音の小さい練習パッドを探せばオッケー。特にメッシュ素材の電子ドラムは、「アタック音」はかなり小さいです。
しかーし! 振動音の場合は、パッドから出るアタック音が小さくても、スタンドから床に伝わってズンドコ鳴るので、どうしようもない! これは、練習パッドであろうが、電子ドラムであろうが、変わりません。
ということで、今回は練習パッドや電子ドラムでの「振動音対策」について、自腹で実験レビューです!
おそらく自分でできる最高峰の防振対策「ふにゃふにゃシステム」を作ってみました。
結局、最終的には「ふにゃふにゃシステム」じゃないと防振は厳しいなぁ…と思います。
レビューはこちらからどうぞ↓
電子ドラムの騒音問題を解消!ふにゃふにゃシステムの作り方と効果をレビュー。
目次
バスドラムの練習は、騒音との戦いだ!
手の練習用(?)に使う、いわゆる練習パッドなら、最悪「太ももの上」に練習パッドを乗せて叩けば振動音が出ません。(そうすると、トコトコ…とアタック音だけになります。)
でも、バスドラムの練習を自宅でしたい!という場合、どうしても振動音がネックになります。…というか、バスドラムは床をドンドン踏むので、振動的にはジャンプして足の裏全体でドン!っと着地した時と同じくらいにズンドコすることでしょう。
なので、今回は「バスドラムの練習に防音マットがどれだけ有効か?」を中心にレビューしていきます。
「防音」と「防振」がある…のかな?
なんとか振動を軽減できないかなぁ〜とAmazon巡りをしていると、、、防音シートやら、防音マットやら、防音カーペットやら、色々出てきます。
よくみると、「防音」の効果をアピールしているものと「防振」の効果をアピールしてるもの、もちろん両方アピールのやつもある…。
防音
どうやら、「防音」というのはカーペットやスポンジ的な素材で「音を吸収する」感じ。イメージ的には「吸音」ですね。
防振
そして「防振」というのが、今回のテーマに合致した「ズンドコ音」を軽減するイメージと理解しました。
あくまでカタログの宣伝文句を信じる形ですが、目安として参考にしておきましょう。
ドラムの練習に使える防音・防振マット
ということで、ここからはドラムの練習、特にバスドラム練習の防音・防振用に効果的なマットやカーペットはどれか?というハナシです。
ドラム練習に最適な防音マットの条件
そもそも、いくら防音・防振でも「ドラムの練習がやりにくい!」となっては意味がありません。そのため、今回は以下の点をクリアする商品をAmazonでポチッと購入しました。
防振の効果が見込める
はい。これは必須条件ですね。「防音」ではなく「防振」を重視します。
練習パッドや電子ドラムがグラグラしない
いくら防音・防振が良くても、パッドを設置しにくいと意味がありません。
フワフワのスポンジ素材とか、絶対練習パッド置けないです。ある程度硬くて平たいやつが好ましい。カーペットなら毛足の短めのやつが良いですね。
滑らない
これ重要です。バスドラムの練習をするための防音マットと考えると、滑らない素材というのが重要になります。
練習している時に、ペダルやバスドラムのパッドが滑ってしまうと練習にならないです。そのため、ツルッツルでコッチコチの素材ではなく、摩擦というか引っかかりが効きそうな素材が良いでしょう。
あと、ペダルやバスドラムの練習パッドには、大抵「滑り止め用のぶっ刺さるやつ」が付いています。
名称はわかりませんが、こんな凶悪そうなやつ↓
これが、ちゃんとぶっ刺さるやつ、そして、ぶっ刺しても床に傷をつけない(貫通しない)やつが良いでしょう。
実際に買った商品はコレ!
…ということで、色々と商品の説明とか写真をガン見してアレコレ想像しながら、これが良さそうだ!と思ったアイテムを発表しまーす!
こちらの2つ↓
静床ライト
まず1つ目は「静床ライト」。これはカーペットタイプの防音&防振アイテム。正方形のタイル状になっていて、自由に敷き詰める感じのカーペットです。ちなみに「しずゆかライト」と読みます。
商品のタイトルには、防音マット・防音カーペットって書いてあるけど、商品の説明には「業界最高レベルの防音・防振性能」ってあり、「下の階に、どれだけ音が聞こえなくなるか?」みたいな性能説明をしているので、防振がメインだと判断。
P防振マット(10mmタイプ)
そして2つ目が「P防振マット」。こっちはマットタイプの防振アイテム。衝撃音を吸収するのをウリにしているので、まさにピッタシ。
厚さが「5mm」と「10mm」のタイプがあるけど、迷わず10mmを選択。分厚いのは正義です。(たぶん)
防音効果・防振効果はどれくらいか?聞き比べてみよう!
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
- バスドラム用の練習パッド
- 手用の、いわゆる練習パッド
- 防振マット、防音・防振カーペット
これらを使って実際に叩いている所を、マイクで録音してみました。
バスドラム用の練習パッドは「Pearl バスドラムパッド BD-10」を使っています↓
手用の練習パッドは「EVANS 練習用パッド 12″ Speed Pad RF12G」をスネアスタンドに取り付けて使っています↓
それでは「防音と防振の効果」を比較してみましょー!
- 低音のドン!っていう響き
- 低音のボフゥっていう鳴り(家屋が振動してる感じ?)
これらから、振動音の感じをイメージしてください。アタック音ではなく、低音の鳴りに注目です。
真横で録音した音
まずは、練習パッドの真横で録音した音を聞いてみましょう。
防振対策なし [真横で録音編]
何もないデフォルト状態。正直、近所迷惑は間違いないでしょう。
フローリングにキズがつくので、普通の絨毯(ラグっていうのかな?)を敷いています。
- フローリングの上に
- 普通の絨毯(防音とか関係ないやつ)を敷いて
- その上に練習パッド
サウンドを聴いてみましょう↓
静床ライトのみ [真横で録音編]
静床ライトを敷いたらどうなるか検証してみます。
- フローリングの上に
- 普通の絨毯(防音とか関係ないやつ)を敷いて
- その上に静床ライトを敷いて、
- その上に練習パッド
サウンドを聴いてみましょう↓
P防振マット+静床ライトの合わせ技 [真横で録音編]
静床ライトの下に、P防振マットを敷いて強化してみます。
- フローリングの上に
- 普通の絨毯(防音とか関係ないやつ)を敷いて、
- その上にP防振マットを乗っけて、
- その上に静床ライトを敷いて、
- その上に練習パッド
それではサウンドを聴いてみましょう↓
感想
静床ライトを敷くだけで、かなりの変化がある気がします。アタック音が小さくなるわけではありませんが、音の広がりというか、拡散が抑えられて、タイトな音になる気がしますね。
下の階で録音した音
次が本命。下の階で録音した音を聞いてみましょう。なるべく真下の部屋で、かつ「天井にマイクを近づけた状態(天井から10cmくらいかな)」で録音しています。
※音が小さいからボリューム上げて聴いてね。
防振対策なし [下の階で録音編]
まずはデフォルト状態。低音のズンドコ音に注目。
サウンドを聴いてみましょう↓
P防振マット(10mmタイプ)のみ [下の階で録音編]
お次はP防振マットだけで、防振効果があるのか?を検証してみました。P防振マットは安いので、これだけで効果があればベストですよね。
- フローリングの上に
- 普通の絨毯(防音とか関係ないやつ)を敷いて、
- その上にP防振マットを乗っけて、
- その上に練習パッド
サウンドを聴いてみましょう↓
静床ライトのみ [下の階で録音編]
さて、今度は静床ライトだけを敷いた状態で検証してみます。ズンドコ音はどうなるか⁈
サウンドを聴いてみましょう↓
P防振マット+静床ライトの合わせ技 [下の階で録音編]
最後に、今回の最強布陣。静床ライトの下にP防振マットを敷いたらどうなるか⁈
サウンドを聴いてみましょう↓
感想
静床ライトだけで、かなりの音の違いが出ます。でも、振動音が完全に無くなるわけではありません。
P防振マットを敷くと低音がタイトになります。これはサウンドだけ聞くと低音が大きくなった感じがしますが、全体の振動(部屋の鳴り)の体感としては、P防振マットを敷いたほうが、ほんの少しだけ軽減される(というか、響きが短くなる?)感じです。ほんの少しですが。。
バスドラムの練習パッドによる騒音の違いはあるのか?
さて、かなり長くなってしまいましたが、検証はもう少し続きます。
今回、防振マットを検証して気づいたことがあります。それは、バスドラム用練習パッドの種類が違うとズンドコ音も違う気がする!
これまでの検証で使ったのは「Pearl バスドラムパッド BD-10」ですが、このPearlのバスドラム練習パッドは低音がタイトで気持ちが良いです。それでいてアタック音が小さいので、なかなか良い。
しかーし!アタック音が小さくても、低音気持ち良いってことは…?もしかして振動音はでかいのかも?
ということで、もう一つ持っているバスドラム用の練習パッド「YAMAHAバスドラム用トレーニングパット TS01B」を使ってみました。これ↓
「YAMAHA バスドラム用トレーニングパット TS01B」で検証
YAMAHAのバスドラ練習パッドでの検証がこちら。
P防振マット+静床ライトの合わせ技(下の階で録音)
サウンドを聞いてみましょう。
※音が小さいからボリューム上げて聴いてね。
まずは「Pearl BD-10」↓
次に「YAMAHA TS01B」↓
感想
今回の検証の中では、この「YAMAHA TS01B」と「P防振マット+静床ライトの合わせ技」が1番静かでした。
YAMAHAのバスドラ練習パッドは、アタック音がやや高く、全体的にポコポコした音なので、あまり踏んでいて気持ち良くはないです。
Pearlに比べると「踏ん張らない構造」なのか、なんとなく踏んだ力が逃げちゃってる気がします。(気持ちの問題かもしれませんが…。)
写真で見るとこんな感じ(左:YAMAHA、右:Pearl)。Pearlの方が踏ん張る気合いを感じます↓
でも、この「踏ん張らない」ってのが振動音の対策には重要なのかもしれませんね。
ちなみに、Pearlの方は練習パッドが「滑りやすい」です。そのため上の写真ではガムテープで固定した痕跡があります。(結局、ガムテープでは上手くいかなかったけど。。。)
(参考)そもそも床の対策だけでは「防音」にはならない
一応、参考までに…。
防振マットは「下へのズンドコを防止」のもの。そのため、隣の部屋に聞こえる「アタック音」には効果がありません。この点には注意しましょう!
隣の部屋への「アタック音」を防止するには、今度は壁にも防音(吸音性能のあるやつ)をしないといけませんよー。
とはいえ、隣への騒音も「振動音」が無くなれば、案外聞こえなくなります。振動からくる「低音」が抑えられるので。
まとめ
今回は、皆さんがとても気にしている「練習パッド・電子ドラムの騒音」について検証してみました。
個人的な結論は、、
P防振マット+静床ライトの合わせ技
がおすすめです。
ただし「劇的に、振動音が無くなるわけではない」ということを付け加えておきます。
ちなみに、我が家は「木造」の「戸建て」です。
そのため、振動音も結構鳴りやすいですし、戸建てなので床の防音対策も甘いです。隣や下に「別の人が住む」という前提で作られた鉄筋のマンションとかだと、だいぶ違うのかもしれませんね。
電子ドラムの選び方については、こちらの記事をご覧ください↓
最後に、今回買ったものを紹介。
P防振マットは1枚買いました。電子ドラムに使うのであれば、2枚は必要になりそうです↓
静床ライトは10枚セットを買いました。10枚あれば電子ドラムでも何とか収まるかな。椅子はハミ出すと思うけど↓
検証はこれにて終了。
電子ドラム、練習パッドの騒音はどうなんだろ?と気になる方の参考になれば嬉しいです!
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