ドラムを始めると、だんだん欲しくなってくるのがマイギア。
そんな中でも最初に買うべきオススメが「ペダル」です。

しかし、ペダルで商品を検索すると山のように出てきます。

  • どのメーカーがいいのか?
  • 製品の違いは?
  • 機能や性能の違いは?
  • 値段の差はなんだ?

そんな疑問で夜も眠れなくなること間違いなし!

お店に行って実物をみるのが一番速いが、それでも「見た目・質感」の違いはわかっても、
「使用感」など使ってみなきゃわからない違いまではわからない。

そこで今回は「はじめてペダルを購入」する際に、知っておきたい「選び方と違い」を解説します。

(↓ここからは、解説口調でお届けします↓)

メーカー

ペダルは様々なメーカーから発売されている。

YAMAHA、TAMA、Pearl、DW、Gibraltar、Ludwig…実に多くのメーカーがペダルを販売している。しかし、Amazonなどではメジャーではないメーカーの製品もたくさん出てくる。(言い方は悪いがいわゆる中華系)

そんな中で、私が最初に買うペダルとしてオススメするのは「国内メーカー」の製品だ。

ここはあえて断定しよう。「YAMAHA」「TAMA」「Pearl」この3メーカーのどれかを買っておけば間違いない。

有名メーカーで選ぶ理由

なぜメーカーが大事なのか?
それは以下の理由による。

  • 最低限の品質が担保されている
  • 交換パーツの入手がしやすい。サポート体制がしっかりしている

基本的に、ペダルが壊れる事は滅多にない。よく考えると私も20年以上同じペダルを使っている。自慢にはならないがペダルを掃除したりオイルを刺したりなどのメンテナンスをしたことも無い。

しかし、その間に壊れた事も無ければパーツが消耗して交換した…という事も無い。(これは、私があまり細かいことを気にしないからかもしれないが)

それは「ちゃんとしたメーカーの製品だから」だと思っている。

万が一、ペダルの調子が悪くなっても「交換パーツを入手しやすい」という安心がある。

実はこの「交換パーツを入手しやすいか?」も重要である。海外メーカーの製品だと交換パーツが「取り寄せ」になるケースがあり、値段も割高…という可能性も考えられる。(※もちろん有名な海外メーカーであれば、代理店がしっかりしているのでそんな心配は無いはずである。)

ちなみに、Amazonにある激安ペダル系は交換パーツが売っていない可能性がある。そもそも激安系は使い捨てと割り切って考えるとよいだろう。

以上の理由から、「YAMAHA」「TAMA」「Pearl」この3メーカーのどれかを買うのがオススメだ。

…と言いつつ、私は海外メーカーのDWのペダルを愛用している。DWは交換パーツも簡単に入手できるので問題ない。なので、個人的な好みも踏まえて「DW」もオススメ候補にいれておく。

シングルか?ツインか?

ペダルには大きく分けて、「シングルペダル」「ツインペダル」の2種類がある。シングルとツインでは用途・機能が大きく異なるので、買う時には注意が必要だ。

シングルペダル、ツインペダルの違いとは

ドラムセットのバスドラムは、一般的には「1つ」だろう。

しかし、メタルなどプレイスタイルによっては「バスドラムを2つ」使って「ドコドコドコ」とバスドラム左右の足で連打するプレイもある。いわゆる「ツーバス」と言われるものだ。

しかし、ツーバス=バスドラムが2つのドラムセットを準備するのは大変である。そこでツーバスのプレイスタイルを「1つのバスドラムで実現」させるのが『ツインペダル』である。

製品の写真を見て頂ければわかりやすい。

シングルペダル↓

ツインペダル↓

この様に、左右の足で1つのバスドラムが踏めるような機構になっている。

機能・性能

ペダルの機能・性能は、単純に言ってしまえば1つ。「踏む」である。

踏むとハンマーの様なパーツ(ビーターと言う)が動いてバスドラムを叩く。これだけの動きがペダルの機能と言える。

しかし、様々な商品が販売されているのはナゼなのか?

それは、踏むための「構造」「パーツの品質」、そして「カスタマイズの柔軟性」商品によって様々なのである。

ここからは、私が重要視している機能・性能2つ紹介する。

1.レスポンス

一番大事なのは「踏んだ時の反応」である。

足の繊細な動きを敏感に察知して、素直についてきてくれるペダル。これが最高のペダルと考える。

大衆車とスポーツカーの違いに似ているかもしれない。スポーツカーはアクセルを踏んだ時に車が敏感に反応してくれる。自転車のロードバイクなども「ペダルが自分の身体の一部のようだ」と感じる(らしい)。

そんな「身体の一部」のように素直に反応してくれるか?これがペダルにも重要な要素と考える。

レスポンスの好みは人それぞれ

ここで知っておいて欲しいのが「レスポンスの好み」人によって違うということだ。

ペダルの機能によって、

  • 踏んだ感覚で、素直にビーターが反応する
  • 踏んだ感覚で、ビーターが素早く動く
  • 踏んだ感覚で、ビーターに遠心力を感じて力強く動く

の様な反応がある。

この違いはペダルの良し悪しではない。「機能の違い」である。ペダルメーカーが様々なニーズに対応するために開発したものだ。

例えば、

メタルの様に「ひたすら速くドコドコ踏みたい!」というニーズに応えるために、踏んだら素早くビーターが動く機能を搭載しているモデル。

…であったり、

パワフルなバスドラムサウンドを出すために、遠心力をつけて力強くビーターが動く機能を搭載したモデル。

…の様に「どんなプレイがしたいか?によって機能が違う」と考えて欲しい。

そして、プレイスタイル=レスポンスの好みは人それぞれである。

次項でも触れるが、機能の違いは値段の高い上位機種で差がでやすい。逆に言えばエントリーモデルは「一般的なバランス」と考えておくと良いだろう。

2.カスタマイズの柔軟性

もう一つの機能としては「カスタマイズの柔軟性」だ。

カスタマイズと言っても、パーツを変えるわけではない。ここでのカスタマイズとは「調整」である。

ペダルの構造はシンプルだが、踏み心地「調整」する事ができる。大きく分けて以下の2つのポイントである。

  • バネの強さ
  • ビーターの角度

バネの強さを強くすると、踏んだ後の跳ね返りが速くなる。(その分、踏む時に重くなる。)これは想像しやすいだろう。

一方、ビーターの角度とは「踏んだ時にビーターがバスドラムに到達するまでの距離」だ。

スティックを振る時の腕に置き換えるとわかりやすい。大きく振りかぶって叩くか、小さく振って叩くかの違いと言える。ビーターの角度を大きくすると、大きく振りかぶって踏むのでパワーが出る。(その分、踏む時に重くなる)

この様に、踏んだ時の「重さ」「振っている感(ストロークの長さ)」はペダルを「調整」する事で、かなり変わってくるものだ。

練習スタジオで「あれ、今日のペダル踏みにくいな」「ペダルが重いな」「ペダルを踏んでいる感じが全然しない」など、いつもと違う違和感を感じた事はないだろうか?

それは、ペダルの調整がいつもと違うからである。練習スタジオは色々な人が使うので、使っている内に「調整がくるう」こともあれば、人によってペダルを「自分好みに調整する」こともある。(ちなみに、自分好みに調整したペダルは、大抵はそのままにして帰ってしまうものだ。)

そんな「調整」の柔軟性がペダルによって大きく異なるのである。

柔軟性とは「どこを、どれくらい細かく調整できるか?」ということ。先に挙げたバネの強さ、ビーターの角度を調整する箇所だけでも、製品によって複数ある。それ以外にも製品によって様々な機構が搭載されており、より「自分にベストな踏み心地」に調整できるような仕組みになっている。

これもまた、機能の違いは値段の高い上位機種で差がでやすい。逆に言えばエントリーモデルは「シンプルな調整のみ」と考えておくと良いだろう。

※個人的にはシンプルな調整のみで十分だと思っている。ハイスペックのペダルを持っているので色々と試したが、結局はシンプルに調整できる部分しか使わなかった経験がある。

調整は、前項で説明した「レスポンス=踏み心地」に関係しており、結局は踏み心地が一番のポイントだという事である。

値段の違い

ここまでの解説で、ペダルの事を大まかに理解できたと思う。

レスポンス・機能・性能、これらは様々な工夫や機構が開発されている。そして、それらの違いが「値段」に反映されているのである。

各メーカーが様々な製品を出している。エントリーモデルから上位機種まで様々だが、その違いを単純に言えば、

  • 上位機種は「より自分好みにできる」
  • 上位機種は「より自分のプレイスタイル合ったコンセプトで作られている」

という事である。

エントリーモデルは機能・性能が「一般的なものに限定されている」と考えておくと良いだろう。

しかし、正直に言うと有名メーカーであればエントリーモデルでも「最低限」が担保されているので、機能面で困ることは全く無いと思っている。

では、上位機種を選ぶ理由はなにか?

見た目・質感、そして「所有」の喜び

エントリーモデルは安い。安いということは「パーツ1つ1つの質感」も落ちるということだ。

ここからは個人的な主観も多く含むが、エントリーモデルと上位機種の大きな違いは「見た目・質感」だと考える。

安いペダルは「わざとだよね?」と疑うくらいにダサい商品がある。(何度も言うが個人の感想である)

上位機種のペダルはパーツ1つ1つの質が良く、プロダクトデザインや色、総合的な質感が非常に良い。

この見た目のカッコよさ手にした時の質感のよさが上位機種の大きな魅力である。

「所有の喜び」が重要

ペダルは足元に置くので、誰に見られるわけでもないアイテムだ。しかし、自分にとって「このペダル、かっこいい」と思う事はとても大事だと思っている。

所有している事の満足感。これは何にも代えがたい。誰にも見られてなくても、いい相棒と一緒にプレイしている高揚感がよりよい演奏につながるだろう。

最初にどのペダルを買うべきか?おすすめは?

ここまでの解説で「ペダルの事はわかったが、結局どれがおすすめなのか?」というモヤモヤが大きくなったのではないだろうか?

考え方は2つ。

1.上達してからの買い替えを考慮する

1つはとりあえず一般的なモデルを買う」という考え方だ。一般的なモデルとは、特殊な機構やスピード〇〇の様な用途が偏ったものではない商品のこと。

初心者は「性能の違い」がわかる程に繊細なコントロールテクニックは身についていないはず。そもそも、自分が「ペダルに要求すること」もわからない状態だろう。そうなると、上位機種に搭載された特別な機能も使いこなせないと思われる。

そこで、「とりあえず練習用」と割り切って買うのである。

上達して、自分のプレイスタイルやペダルへの要求がわかってきたらご褒美として上位モデルを買う。そんな目標を持って練習をすれば、より楽しいと思う。

とはいえ、ペダルは超高額商品ではない。私が使っているペダルも2万円あれば買えるのだ。逆に言えば2万円以上のペダルは探すのが大変なくらいである。

2万円以下のおすすめペダル

2万円くらいのペダルであれば、ハッキリ言ってプロでも普通に使っているものだ。私も以下の2機種を使っている。

最近買ったペダルがこれだ。Amazonの方が断然安いのでAmazonでの購入をおすすめする。(2021年10月現在)↓

長く愛用しているDWのペダルはデザインがカッコいい。20年以上使っている↓

DWのペダルはサウンドハウスが最安である(2021年10月現在)→サウンドハウス DW 5000TD4

1万円以下

そこまでお金をかけるのは…という方には、1万円以下のリーズナブルな商品もある。その際も「有名メーカーのエントリーモデル」を買うべき。

安いからと言って、微妙なメーカーの製品を買うと「最低限」のラインを下回る可能性がある。そうなると踏む時に「変なクセ」がつきかねない。ドラムの上達にも影響するので注意が必要だ。

有名メーカーのエントリーモデルであれば、機能・性能は大差ない。むしろどれを買っても同じと言ってもいいだろう。

2.好きなものを気にせず買う

もう一つの考え方は、好きなものを妥協せずに買う。

予算の都合もあるが、とにかく「自分が気に入ったもの」「見た目や質感に満足するもの」を買うのである。

中途半端に妥協をしないこと。中途半端に妥協すると「やっぱ、あっちがよかったかな?」みたいに後悔することもある。

最高に気に入ったものを買う。そうすれば後悔の余地もなくなるし、これをずっと使っていこう、使いこなしてやろうというモチベーションにもなる。

実は、私が「これを買えばよかった」と後悔しているモデルがある。それがこちら↓

これはベアリングが滑らかでヌルヌル動く。踏み心地が最高なのだ。このペダルは自分へのご褒美に買おうと思って、日々のモチベーションにしている。

ちなみに、DW9000は「9000」と「9000XF」があるが「XF」はロングフットボート搭載という特殊なモデルなので、XFなしを選ぶと良い。

シングル or ツイン

もう一つだけ、悩ましいポイントがある。それは「ツインペダルにするか?」問題である。

ツインペダルを使いたいと思っている場合は、間違いなくツインペダルを買うべきである。

しかし、ツインペダルは使う気がない場合はどうするか?である。当然ツインペダルの方が高い。シングルと比べて2倍〜3倍以上変わるものだ。

そこで、私が思うベストな選び方を紹介しよう。

まずは、
現状ツインペダルを使う機会がない、ツインペダルを練習する予定がない方は、シングルペダルを買えばよいと思う。

次に、
自分が好きな音楽のジャンル、好きなドラマーツインペダル(ツーバス)を使っている場合は、ツインペダルの購入を前向きに考えた方がよい。

というのも、ツインペダル(ツーバス)は特殊なプレイスタイルなのでジャンルを選ぶ。ドラムを練習する理由に、普段聞いている音楽を叩きたい、好きなドラマーの様に叩きたいという事があるだろう。

普段聞いている音楽がツーバスを多用している場合は、遅かれ早かれツインペダルを練習したいと思うはずだ。

逆に、普段の中でツーバスが出てこない場合は、単なる興味やスキルの幅を広げるために「ツインペダルをやってみようかな」と思うかもしれない。そんな場合は簡単である。練習スタジオで借りればよいのだ。練習スタジオではツインペダルを貸し出ししている所が結構ある。

興味でやってみようと思ったら、とりあえず練習スタジオで借りてやってみればよい。そして面白さにハマったら、改めてツインペダルの購入を検討すればよい。

ペダルは2つ持っていてもよい

ペダルは何個も持つものではないが、ドラム歴が長くなれば2つ〜3つは渡り歩くだろう。最初はシングルペダルを買ったが、その後にツインペダルも買うというパターンもあり得る。

それはそれでよいと思う。特にシングルペダルとツインペダルは1個ずつ持っていて不便はない。むしろ、その方が便利である。

というのも、ツインペダルは大げさに言えば「ペダル2個分」である。そのため持ち歩きも少し大変になるからだ。今日はシングルしか使わないという時に、ツインペダルを持っていくのは正直しんどい。

分解できるツインペダルがある

もう一つ参考情報として、ツインペダルの機種によっては「ツインペダルを分解」して「シングルペダルにトランスフォームできる」というものがある。

先に紹介した、私の使っているペダルも実はツインペダル版を買っている。

これは、裏のネジを4本外すだけで「シングルペダル版と同じ」になるのだ。更にすごいのが「シングルペダル2つにもなる」という素晴らしいアイデアになっている。

バスドラム1個ツインペダルとして使うこともできるし、バスドラム2個ツーバス(各バスドラムにシングルペダル1個ずつ)にもできるというわけだ。

一目惚れしたものを中心にプラスアルファの性能をチェック

最後になるが、結局のところ「まずは見た目」で商品を探すと良い。そして、安心できるメーカーかどうかを確認する。

次に、気に入ったペダルの機能・性能を確認してみよう。各社・各商品で宣伝文句が色々と書いているはずだ。どれも魅力的で良さそうに見えるはず。

「スピードを重視」みたいなアピールをしている場合は、通常の感覚よりも速くビーターが動くと考えるとよいだろう。これは好みだが、速くレスポンスするモデルを使った場合「ペダルが軽すぎる」「踏んだ感じがしない」の様なモヤモヤを感じる人もいるので注意が必要だ。

「こんな所が調整できます」の様な機能も見るといいだろう。調整可能なパーツが多いと自分のワガママに応えるチューニングができる。(調整のテクニックが必要になるし、正直そこまで必要か?と感じる部分も多々あるが…)

フットボード(踏む所)とビーターをつなぐ部分が、「チェーン」「金属パーツ」など違いも重要だ。そこもチェックしてみるとよい。

一般的には「チェーン」なので、迷ったらチェーンを選べば間違いない。

「金属パーツ」は「より素早いレスポンス」みたいなモデルに多く搭載されているものだ。これは個人的な感想だが、チェーンの場合は「程よいしなり」を感じるが、金属パーツはしなりがなく「ダイレクトに動きが伝わる」イメージを持っている。

とはいえ、チェーンと金属パーツの違いは「よくわからない」というのが本音だ。結局は「総合的な踏み心地」で判断するのがよい。もちろんパーツの違いで「見た目」も変わってくるので、その観点で判断するのもよいだろう。

妥協しないペダル選びを

はい、いかがでしたかー?

私の主観も多く入っていますが、ペダル選びの参考にしてください。ペダルってドラマーには必須のアイテムで、マイペダルは持っておいて損はないものだと思います。

普段、練習スタジオにスティックしか持っていかない!という方も、「ペダルも持っていく」だけで、なんか気分が変わります。

家でバスドラムの練習をしている方なら、練習の環境がそのまま練習スタジオに持ち込めるので、練習の成果をフルに発揮できますよね。

最後の最後に1つ補足ですが、私は全てのペダル、全てのメーカーを試したわけではありません。私の知らないメーカー、商品で素晴らしいものもたくさんあると思います。

あなたにピッタリのペダルを見つけてくださいね。

再度、私が使っているペダルを紹介しておきます。おすすめですよー。

『Pearl DEMON Black P-3000D/B』。フットボードとビーターをつなぐ部品が「チェーン」と「金属パーツ」の2種類あります。私が使っているのは金属パーツの方です。(P-3000D)という型番。

というか、実際はツインペダル版を持っています。上記シングルペダルのツインペダルバージョンの方です。Amazonで買ったほうが安いかも。

シングルペダルとして愛用しているのは『DW 5000TD4』。

これはサウンドハウスで買うのが安いかも。

サウンドハウス DW 5000TD4
オンラインレッスン

ドラムの通信講座

みっきーのドラム教室では、対面の個人レッスンが基本ですが、
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