電子ドラムを買おう!と思っても、どれを選べばいいの?という悩みはつきものです。
「安すぎるものを買ってすぐに壊れたり、物足りなくなったりしたらどうしよう」
「かといって、プロが使うような高価なモデルには手が出ない」
そんな悩みを抱える多くの人へ、ドラマーの視点から「うーん、ギリ満足できるのはこれかな?」というモデルを調べてみたシリーズ!
今回は「ローランド(Roland)の電子ドラム」編です。
結論から言うと、ローランドのV-Drums「TD-07シリーズなら、ギリ満足できる!」です。
ということで、自宅練習用の電子ドラムとしてなぜTD-07シリーズが「買って後悔しない」と言えるのか、その理由を解説していきます。
目次
Roland V-Drums「TD-07シリーズ」は自宅練習用のスタンダードモデル
電子ドラムの代名詞とも言えるローランドのV-Drums。その中でTD-07シリーズは、どのような役割を持っているのでしょうか。まずはこのモデルの全体像を把握しましょう。
Roland V-Drums「TD-07シリーズ」の立ち位置とは?
一言で言えば、TD-07シリーズは「エントリークラスの手軽さ」と「上位機種の本格的な演奏感」をバランス良く両立させたスタンダードモデルです。
ローランドのラインナップで見ると、低価格なエントリーモデルである「TD-02シリーズ」と、より本格的なミドル・ハイクラス(TD-37や、メッチャ高いV-Drums 7シリーズ)の中間に位置しています。
TD-02のようなゴムパッド主体のモデルは価格が魅力ですが、ドラムを本気で叩く目線で言うと「しょぼい」。そもそもバスドラムがペダルではなく「スイッチ式」なので、その点を見ても除外かな。(※詳しくは電子ドラムの選び方の記事を見てね。)
一方でミドル・ハイクラスは素晴らしい性能ですが、ずばり「お高い!」。
正直言って、電子ドラムなんてのは高ければ高いほうがいいに決まっています。とりあえず一番高いの買っておけば間違いない!…と言うのは簡単だけど、実際問題「予算」がありますよね。
そこで、「おもちゃのような練習パッドではなく、長期的に使える楽器としての品質が欲しい。練習としても最低限のレベルで有効に使える。でも、価格は抑えたい。」という目線で考えると、このTD-07シリーズがギリオッケーかな。
TD-07シリーズのラインナップ
さて、TD-07シリーズには、構成の異なる2つのモデルが存在します。(※2025年12月時点)
- TD-07KV シリーズの中心となるスタンダードモデルです。独立したキック・パッドや大きめのシンバル・パッドを採用しており、バランスの取れた構成です。
- TD-07DMK もっとも安価で、省スペース性に特化したモデルです。キック・パッドがスタンドと一体化しているのが大きな特徴です。
※両者の詳しい違いは後述するので、ちょっと待ってね。
なお、これら以外に「TD-07KVX」みたいな上位モデル(カスタマイズモデル)も存在します。こちらはハイハットスタンドを使用し、シンバルが3枚標準装備されている豪華仕様。…だけど、今は販売していないのかな?売っているサイトが全然無かったです。
それ以外にも販売店によってカスタマイズされたセットも色々売っているので、買う時は注意が必要。(まじで、これがややこしいのよ…。)
TD-07の何が良いか・選んだポイント
私がこのシリーズをおすすめする最大の理由は、心臓部である音源モジュール「TD-07」の質の高さでも、パッドの質感でもありません。
じゃあ、何がポイントか?というと、ずばり「バスドラムが本物のペダルを使う方式」という点。
はい。それだけです。このブログのテーマは「ギリオッケーなやつ」なので、最低限クリアすべきはバスドラムがどんな方式か?が一番重要!だと思います。
ちなみに、TD-07のハイハットはスイッチ式です。(リアルなハイハットスタンドを使わないやつ)
でも、ハイハットに関しては「それでもいい!」と割り切って全然オッケーだと思う。実は私も10年以上はハイハットはスイッチ式のやつを使っていました。
最近はリアルハイハットスタンド式を使っていますが、ぶっちゃけ「どっちも変わらん!というか、使いにくいし、リアルな感じは全くしねぇ!」と不満が爆発しています。
むしろ、スイッチ式の方がよかったのでは?…と思うくらいに、二の次の要素だと思います。
でも、音源やパッドの質も重要でしょう?と思う方も多いと思います。
公式サイトを見ると、
パッドを叩いた信号を「音」に変換するモジュールの性能は非常に重要!とか、
TD-07には、プロの現場でも使われる高品質なスタジオ・サンプリング音源が採用されています!
みたいに書いてありますが、それは「まあ、そりゃそうだけど、最近のはどれもいい音するよね」って感じです。
叩いてて不自然に感じるような音を出す商品は基本的には無いと思います。(ちゃんとしたメーカーの商品なら)
また、パッドの打感について「リアルに近い」とか「本物の感覚を」みたいなアピールもありますが、ズバリ言って「リアルに近いことあるかい!」というのが正直な感想。
ローランドに限らず、どのメーカーの商品も「リアルと同じわけない」です。そこは『割り切って考える』というのが電子ドラムを選ぶ上では重要です。

ただ、安物のカッチコチのゴムパッドは、まじで打感が悪いので要注意!
叩いてたら手首を痛めます。
こだわるのは「スネア」ですね。スネアだけは打感が不自然じゃないものを選んでください。
メッシュタイプや、Yamahaのシリコンヘッドであれば全然オッケー。
TD-07は練習に使えるか、ドラムの上達につながるか
結論から言うと、TD-07シリーズは「ドラムの練習に使える」と思います。
ローランドなのでパッドのセンサーも優秀。繊細な音の強弱もちゃんと読み取ってくれるでしょう。(安いやつだど、強弱の変化を読み取るのが大雑把だったりします。)
一番のポイントは再三言っているけど「本物のペダルを使う」から。
電子ドラムで練習する一番の理由って「足(特にバスドラ)の練習・手足のコンビネーションのトレーニング」だと思います。
手だけのストローク練習であれば練習パッドで十分です。練習パッドだけではカバーできない足の練習ができるというのが電子ドラムを買う一番の理由なんじゃないかな?と思います。
ただし!電子ドラムで本物のドラムが上達するか?については注意が必要です。全く別物と考えてください。あくまで手足のトレーニング用と思っておくのが良いでしょう。
逆に「電子ドラムをメインにしていて、生ドラムを叩いた時の違和感」についても解説していますので参考にしてください。

ストイックに練習するのであれば、電子ドラムの「電源は入れず」に「生の音」で基礎練習することをオススメします。
TD-07シリーズ共通の強み:妥協のない基本性能
さて、この章は「TD-07シリーズ」の特徴を簡単にご紹介。というかAIにまとめてもらった内容について感想を挿入していきます。
TD-07KVとTD-07DMK、どちらのモデルを選ぶにしても共通しているのが、このシリーズが持つ「基本性能の高さ」です。ここからは、なぜTD-07が自宅練習用として優秀なのか、その具体的な機能を見ていきましょう。
静粛性とリアルな打感を両立した「ダブル・メッシュ・ヘッド」

自宅、特にマンションなどの集合住宅でドラムを叩く場合、最大の敵は「騒音」と「振動」です。この問題を解決するために、TD-07シリーズではスネアだけでなく、3つのタムすべてにローランド独自の「ダブル・メッシュ・ヘッド」を採用しています。
これは2層構造の網状素材で作られたヘッドで、ゴム製のパッドに比べて圧倒的に打音が静かです。トコトコという小さな音しかしないため、周囲への迷惑を最小限に抑えることができます。
また、静かなだけではありません。アコースティックドラムに近い自然なリバウンド(スティックの跳ね返り)が得られるため、手首への負担も少なく、長時間叩いても疲れにくいというメリットがあります。付属のチューニング・キーを使って張り具合(テンション)を調整できるので、自分好みの弾み心地に変えられるのも、本物のドラムと同じ感覚で嬉しいポイントです。

「アコースティックドラムに近い自然なリバウンド」っていうのは、あまり期待しないでね。あくまで別物!
メッシュのヘッドって、トランポリンを叩いてる感じがします。(まあ、そんなもんだ…と割り切っておきましょう)
「張り具合(テンション)を調整できるので、自分好みの弾み心地に変えられる」っていうのは嬉しいポイントではないかも。私はテンションを調整したことは一度もない…。
音源モジュール「TD-07」の実力(音質・編集機能)

電子ドラムの頭脳にあたる音源モジュール「TD-07」は、シンプルに見えて非常に高機能です。
プリセットとして、すぐに使える25種類のドラム・キットが用意されていますが、内蔵されている音色は全部で143種類にも及びます。
特筆すべきは「V-Edit」と呼ばれる編集機能です。これは単に音色を入れ替えるだけでなく、実機と同じように細かな調整が可能です。例えば、スネアのチューニングを変えたり、ミュート(マフリング)の量を調整して余韻をコントロールしたりすることができます。
さらに、ドラムを叩いている部屋の響き(アンビエンス)や、EQ(イコライザー)による音質調整まで可能です。「もっとスタジオっぽい響きにしたい」「ライブハウスのような迫力が欲しい」といったこだわりを反映させ、自分だけのオリジナル・キットを作ることができます。

ドラム・キットのプリセットがたくさんあるのは嬉しいし楽しいです。その中で使えるのは2つか3つくらいだけどね。やっぱり好みがあるから、全部最高!ってわけにはいかない。
ちなみに音色を「V-Edit」で編集できる、音質調整できるというのは「まあ、あれば、いざって時にいいかもね」って感じです。というのも、正直なところ面倒くさいので使わないのです…。最初は面白くてポチポチいじるけど、最終的には一切触らなくなるんじゃないかな。(私は使わなくなりました…)
Bluetooth機能搭載で広がる練習の楽しさ(スマホとの連携)

TD-07シリーズにはBluetooth機能(Ver 4.2)が標準搭載されています。これは現代の練習環境において、なくてはならない機能と言っても過言ではありません。
スマートフォンとTD-07をワイヤレスで接続すれば、スマホで再生しているYouTubeやSpotifyなどの音楽を、ドラムのヘッドホンから一緒に流すことができます。好きなアーティストの曲に合わせてセッションしたり、レッスン動画の音声を聴きながら練習したりと、楽しみ方が大きく広がります。
ここで一つ、非常に重要な注意点があります。
このBluetooth機能は、あくまで「スマホからドラムへ音を送る」ためのものです。「ドラムの音をワイヤレスイヤホンで聴く」ことはできません。Bluetoothでの音声送信はどうしても遅延(ズレ)が発生してしまうため、演奏には適さないからです。演奏する際は、必ず有線のヘッドホンを使用してください。

これはいいね!
やっぱり曲に合わせて叩きたいから、Bluetoothで繋がると地味に便利です。
Bluetoothなので遅延があるのは仕方がない。だから「動画に合わせて一緒に叩く」っていうのには向かないので注意が必要っす。
PCとの連携・録音機能(USBケーブル1本で可能)

PCと接続する場合も非常にスムーズです。USBケーブル1本で繋ぐだけで、MIDIデータとオーディオ・データの両方を送受信できます。
これを活用すれば、DAWソフト(音楽制作ソフト)に自分の演奏を録音したり、PC内の高品質なソフト音源を鳴らしたりすることが手軽に行えます。また、「Melodics for V-Drums」というPC用練習アプリにも対応しているため、ゲーム感覚で楽しみながらリズム感を鍛えることも可能です。
複雑な機材やオーディオインターフェースを用意しなくても、USBケーブルさえあればすぐにDTM環境や高度な練習環境が整うのは、TD-07シリーズの大きな魅力です。

これは普通の人は使わないと思う。まあ、電子ドラムの強みの部分なので「ふーん、こんな事もできるのね」という程度で十分だと思います。
たぶん、使う機会はないと思う。
「Melodics for V-Drums」という練習アプリは…わからんです。太鼓の達人やドラムマニアっぽいやつだと思うけど、パソコンのみっていうのが不便だよね。
AIの文章はここまで。
各モデルのスペックと特徴比較
さて、最初に「TD-07シリーズには構成の異なる2つのモデルがある」という話をしました。
って事で、いよいよ具体的なモデルの違いを紹介していきます。
まず、大前提として…
TD-07DMKとTD-07KVは、どちらも同じ音源モジュール(TD-07)と、同じスネア・タムパッド(ダブル・メッシュ・ヘッド)を使用しています。つまり、「音」と「打感」は基本的に同じです。
では何が違うのかというと、「足元のキック・パッド」と「シンバルの大きさ」です。これが演奏感や設置スペースに大きく関わってきます。
コスパ最強のエントリーモデル「TD-07DMK」

まずは「TD-07DMK」。こっちの方が安いです。
安い理由は「足元のキック・パッドがスタンド一体型」で、「シンバルが小さい」ということ。
特徴:スタンド一体型キックパッドによる省スペース性
TD-07DMKの最大の特徴は、キック・パッドがスタンド(骨組みの足)に直接取り付けられていることです。
写真を見て分かる通り、ツイン・ペダルの使用を想定した設計になっています。(写真にはツインペダルが映ってるけど、基本セットにはペダルは付いてないのでご注意を。)
独立したキックタワーを置く必要がないため、設置に必要なスペースを最小限に抑えることができます。また、強く踏んでもキック・パッドが奥へズレていかないという構造上のメリットもあります。
スタンド一体型なので踏み心地は、ちょっと独特。バスドラムを踏んだ時の少し沈み込む感じが薄いかな?
あと、ツインペダルを使った時の安定感は悪そうな気がする。(ツインペダルを使ってみたことは無いので想像です…。)
まあ、踏み心地に関しては慣れちゃえば関係ないと思います。
何より、スタンド一体型なので省スペースだし、ちょっと部屋の隅に寄せておくみたいな片付けが楽なんです。
そう、電子ドラムって一回組み立てると移動が大変なのだ!(基本的には置いたままにしておくもの)
でも、ちょっとした時に動かしたいなぁ〜と思う事も多い。そんな時に少しだけ便利なのがスタンド一体型。
ちなみに、シンバル(クラッシュ・ライド)には、10インチの「CY-5」が採用されています。後述するもう一方の「TD-07KV」は12インチと少し大きいです。
コンパクトですが、ボウ(面)とエッジ(端)の叩き分けやチョーク奏法(手で掴んで音を止める)も可能です。まあ、小さくても叩けりゃオッケー!みたいな感じなので問題なし。
こんな人におすすめ(予算を抑えたい、場所をとりたくない)
- とにかく初期費用を抑えたい人: V-Drumsのクオリティを最も手軽に手に入れられます。
- 部屋のスペースに余裕がない人: スタンド内にすべてのパーツが収まるため、圧迫感が少ないです。
- ゴムパッドは嫌だけど、メッシュヘッドなら何でもいい人: タムまで全てメッシュヘッドなので、打感は十分に快適です。
演奏感を高めたスタンダードモデル「TD-07KV」

そして、もう一方の「TD-07KV」。こっちの方がスタンダートの位置づけかな?
前の「TD-07DMK」と比べると、「バスドラムのキック・パッドが独立している」、そして「シンバルがちょっと大きい」というモデルです。
特徴:独立したキックパッドと大きめのシンバルパッド
TD-07KVは、前の「TD-07DMK」に比べるとドラムっぽいモデルです。(少しドラムに近づいた?ってくらいですが…)
キックには独立型の「KD-10」を採用しています。これはラバーカバーとスチールフレームで覆われており、高い静粛性を持ちながら、打面のクッションによってビーターが沈み込むようなリアルな感触が得られます。
バスドラムって、踏むとちょっと沈み込む感じがするので、その感覚が少しでもあるのがGoodポイント!
シンバルには、前の「TD-07DMK」より一回り大きい12インチの「CY-8」を採用しています。サイズが大きくなることで、叩いた時の「揺れ」が少し再現される。特にライドシンバルを叩く場合は、少し揺れたほうがリアルに近い感覚なので、大きい方が良いでしょう。
こんな人におすすめ(より実機に近い感覚が欲しい)
- ツイン・ペダルを使いたい人: 安定感のあるKD-10なら、激しい連打もしっかり受け止めてくれます。
- より実機に近い感覚で練習したい人: 足元の感触やシンバルの揺れは、スタジオに入った時の違和感を減らしてくれます。(ちょっとだけね。)
- 長く使える標準機が欲しい人: 初心者を卒業しても物足りなさを感じにくいスペックです。
主なスペック比較表(サイズ、重量、パッド種類の違い)
2つのモデルの主な違いを表にまとめました。特に「キック」と「シンバル」の違いにご注目ください。というか、それ以外は同じ。
| 項目 | TD-07DMK(コンパクト) | TD-07KV(スタンダード) | 備考 |
| スネア | PDX-8 (8インチ) | PDX-8 (8インチ) | どちらもリムショット対応 |
| タム | PDX-6A (6.5インチ) | PDX-6A (6.5インチ) | どちらもリムショット不可 |
| キック | スタンド一体型 | KD-10 (独立型) | KVはツインペダル推奨度が高い |
| ハイハット | CY-5 | CY-5 | どちらも同じ |
| クラッシュ | CY-5 (10インチ) | CY-8 (12インチ) | KVの方が大きい |
| ライド | CY-5 (10インチ) | CY-8 (12インチ) | KVの方が大きい |
| 占有面積(目安) | 幅1,200×奥1,100mm | 幅1,230×奥1,100mm | ※椅子込みの設置目安 |
| 重さ | 18.0 kg | 21.7 kg |
ユーザー視点で見た「TD-07」のメリット・デメリット
ここからは、スペック表だけでは見えてこない、実際に使ってみて感じる「良い点」と「知っておくべき点」を考えてみましょう。
結局、ドラマーの最大の敵は「振動対策」
電子ドラムを自宅に導入する際、最も気になるのが騒音問題です。これはローランドだろうとYAMAHAだろうと関係無し。
TD-07シリーズは、前述の通り「メッシュ・ヘッド」のおかげで、叩く音そのもの(打音)は非常に静かです。テレビの音量を少し上げたくらいのレベルでしょう。ちなみにシンバルについてはパコ!っていう少し大きめの音がするので注意が必要。
しかし、マンションなどの集合住宅で特に注意すべきなのは「振動」です。特に足で踏むキック・ペダルの「ドスン」という振動は、床を伝わって階下の部屋に響きやすい性質があります。
TD-07KVのキック・パッド「KD-10」は、ラバーカバーと専用フレームによって、従来のゴム製パッドよりも振動を大幅に軽減する設計になっています。…というアピール文言になっていますが、それはあり得ない。
結局、バスドラムを踏む時って「床をドン!っと踏む」のと同じことなので、子どもがドタバタ暴れまくっている感じの騒音になります。
ドラムの下に防振マットを敷くなどの対策が推奨されますが、それでもドスドス振動は避けられません。
最高の対策はDFS(ディスクふにゃふにゃシステム)を作ること。そして、電子ドラムの生音の騒音についてもレビューしているので参考にしてください。
メリット…なの?/コーチ機能による上達サポート
ローランドのホームページを見ると、TD-07のアピール機能として以下が紹介されています。
「一人で練習していて、本当に上手くなっているのかわからない」というのは初心者の悩みあるあるです。TD-07モジュールには、これを解消する強力な「コーチ・モード」が5種類搭載されています。
- タイム・チェック: 正確なタイミングで叩けているかを画面で可視化してくれます。
- クワイエット・カウント: 途中でメトロノームが消え、自分の体内時計だけでリズムをキープできるかテストします。
- オート・アップ/ダウン: 徐々にテンポが速くなり、限界までいったら遅くなる練習メニューです。
演奏終了後には採点機能でスコアが表示されるため、ゲーム感覚で楽しみながら客観的に自分の実力を確認できます。これは単調になりがちな基礎練習を続けるための大きなモチベーションになります。
はい、何だか良さそうな機能ですが、これは使い方次第。…というか、メトロノームがあれば十分な気がします。
「タイムチェック」に関しては画面で可視化するよりも、自分の耳と感覚で把握したほうが絶対に良い!
自分のタイム感を伸ばすためにも、可視化はしない方がいいような気がします。目で見る習慣がついてしまう方が怖い気が…。
「オート・アップ/ダウン」に関しては、何に使うんだろう?って感じ。ストロークの基礎練習では使えそうな気がするけど、その手の基礎練習は電子ドラムでやらずに練習パッドでやるべきなので、あえて電子ドラムで「オート・アップ/ダウン」を使う練習はあるのかなぁ?って気がします。
まあ、無いよりあったほうがいい…ってことで。(これ以上言うと、ローランドさんのご機嫌を損ねちゃう。)
実際の設置イメージ(置き場所、サイズ感、畳数の目安)
「部屋に置けるか心配」という方も多いでしょう。 TD-07シリーズの占有面積は、椅子(スローン)に座って演奏するスペースを含めると、おおよそ幅120cm × 奥行110cm程度が必要です。
これは、畳でいうと約1畳分のスペースがあれば収まる計算です。勉強机を一つ置くくらいの感覚でしょうか。
…と、ローランドの公式ブログに書かれています。
でも、実際はもっと必要だと思う。特に見逃しがちなのが「椅子の分の奥行きが結構必要」ってこと。
個人差がありますが、電子ドラムを置いただけだとコンパクトでも、実際叩くとなると椅子を置いて座る必要があります。
その椅子の分の奥行きが結構必要になってくるのです。
勉強机の例で言うと、机だけのスペースはコンパクトでも、実際に座る分の余裕が必要ですよね?
ドラムも同じ。勉強机は机にピッタリくっついて座るけど、ドラムは少し離れて座るので余計にスペースが必要になります。
ちなみに、TD-07DMK(安い方)のような「スタンド一体型モデル」であれば、演奏しない時はシンバルやパッドを内側に折りたたむことで、コンパクトに収納する・部屋の隅に置いておくことも可能です。
出し入れが面倒くさいですが、マジで普段の生活スペースがない!って場合はTD-07DMKの方がオススメかも。
知っておくべき点:拡張性や上位機種との違いについて
購入後に「あれ?これができないの?」とならないよう、あらかじめ知っておくべき仕様上の注意点もお伝えします。
まず、スネアとシンバルの表現力についてです。
スネア・パッド PDX-8 / リムショット・クロススティックについて
スネアに使われているPDX-8は、ヘッドとリムの叩き分けが可能です。
カンッという高い音が鳴るオープン・リム・ショットはもちろん、手でヘッドを押さえながらリムを叩くクロス・スティック(クローズド・リム・ショット)にも対応しています。
ただし、クロス・スティックを鳴らすには、モジュール側で「XStick」という機能をオンにする必要がある点は覚えておきましょう。
そう!クロススティック(クローズドリムショット)に関しては、モードを切り替えないといけないのです!
「えー!そんなのダメじゃん!」と思うかもしれませんが、実はハイエンドモデル以外の電子ドラムは、どれもそんな感じなのです。だから「TD-07がダメ」というわけじゃなくて、エントリーモデルだから仕方ないと諦めましょう。
ちなみに、このクロススティックを実現するにはセンサーの仕組みが難しいっぽくて、なかなかいい感じに実現できている機種はありません。まあ、センサー的には「今、クロススティックなの?それともオープンリムなの?」という判断って簡単にはできないですよね。
シンバル(CY-5, CY-8)のセンサー / カップ・ボウ・エッジ・チョークのどれに対応している?

シンバルについては、TD-07DMKのCY-5、TD-07KVのCY-8ともに、シンバルの面(ボウ)と端(エッジ)の2か所の叩き分けに対応しています。また、叩いた直後に手で掴んで音を止めるチョーク奏法も可能です。
一方で、注意が必要なのは「カップ(ベル)」の演奏です。これらのパッド(CY-5、CY-8)にはカップ部分のセンサーがないため、カップを叩いてもボウと同じ音が鳴ります。
ライド・シンバルのカップ音(カーン!という鋭い音)を多用するプレイを練習したい場合、標準装備のパッドでは再現できないという点が制限となります。
まあ、これはエントリーモデルだから諦めましょう。できればカップは鳴らしたいけどね。。。
タム・パッドは打面のみ
ちなみに、タムのリム(縁)を叩く「リム・ショット」には対応していません。タム・パッド(PDX-6A)は、ヘッド(打面)の発音のみにセンサーが付いているモデルです。
ですが、タムはリムショットをする必要が無いので問題ないでしょう。
拡張性 / シンバルは増やせます。でもそれが限界。
また、拡張性についてもシンプルです。「CR2」という端子が1つ空いているため、シンバル・パッドをもう1枚追加して3シンバル構成にすることは可能です。
しかし、そこが限界。
それ以上にタムを増やしたり、個別の出力端子を追加したりといった大幅な拡張はできません。
できれば、クラッシュ2枚・ライド1枚の合計3枚の構成にしたいですよね。予算次第ですが…。
打点のマルチ検出/中心と端っこを認識するか?→しない
そして、上位機種(TD-17以上)との大きな違いとして「打点位置検出機能」の有無があります。これは叩く場所(中心か端か)によって音色が滑らかに変化する機能ですが、TD-07には搭載されていません。
とはいえ、これらは中級者以上が求める機能であることが多く、これからドラムを始める方や、基礎練習用として使う分には全く問題にならないケースがほとんどです。
「余計な機能を削ぎ落として、その分価格と基本音質に還元したモデル」と捉えるのが正解でしょう。
まあ、下手に「中心」と「端」を叩き分けて音色を変えるよりも、音の強弱だけで叩き分けができた方が絶対に良いので、むしろ無くてよかった!といえるかも!?
買う時の注意点
さて、いざ買うぞ!となった場合、多くの初心者が陥りやすい罠があります。それは、「箱に入っているものだけで、すぐに叩けるわけではない」という点です。
TD-07シリーズは、本格的な楽器として扱われるため、演奏者の好みによって選ぶべきパーツ(ペダルや椅子など)は別売りになっています。
【重要】本体以外に必要なもの(ペダル、スローン、スティック、ヘッドホン)
TD-07KVやTD-07DMKの本体パッケージに含まれているのは、ドラムのパッド類、スタンド、音源モジュール、そして接続ケーブルやACアダプターのみです。
以下の4点は、基本的に別売りとなっているため、必ず合わせて用意する必要があります。
- キック・ペダル 足でバスドラムを叩くための機材です。これがないと足の演奏ができません。
- ドラム・スローン ドラム専用の椅子のことです。事務用の椅子やソファでは高さや安定感が合わず、腰を痛める原因になります。
- ドラム・スティック これがないと始まりません。最初は標準的な「5A」というサイズがおすすめです。
- ヘッドホン TD-07本体にはスピーカーが内蔵されていません。音を聴くために必要です。Bluetoothイヤホンは遅延して使えないため、必ず有線のヘッドホンを用意してください。
あると便利な防音防振・滑り止めグッズ(マットなど)
必須ではありませんが、自宅環境を守るために強く推奨されるアイテムがあります。
ドラム・マット
床への傷を防ぐだけでなく、ペダルが演奏中に滑って動いてしまうのを防ぎます。
まじでマットや絨毯は必要です。滑るし床が傷つくし…。
TDMシリーズなどの専用マットも売っていますが、そんなもの必要ない!安い絨毯やカーペット(ラグ?)で十分です。
ちなみに、私はこれ↓を使っています。
防振用の絨毯・マット
気休めだけど、私は防振のマットを使っています。正直、劇的な効果はありません。無いよりあったほうが少しだけマシっていう程度ですが、私的には結構気に入って使っています。
ちなみに、私が使っているはこれ↓。使い勝手が良くてお気に入りです。練習パッドのスタンドの下にも敷いています。
防振グッズ
ノイズ・イーター(NE-10 / NE-1)など、ローランド独自の防振アイテムもあります。ペダルの下に敷くことで、階下への振動伝達を劇的に軽減するみたい。(使ったことが無いのでなんとも言えない!)
イメージ的には先に紹介したDFS(ディスクふにゃふにゃシステム)の小さい版だと思います。
各ショップが独自のお得なセットを販売している
「別々に選ぶのが面倒」「どれが適合するのかわからない」という方も安心してください。
多くの楽器店やオンラインショップでは、TD-07本体にこれらの「必須アイテム」をあらかじめ組み合わせた「スターターセット」や「コンプリートセット」を販売しています。
単品で揃えるよりも価格がお得になっている場合が多いため、初心者の場合はこうしたセット商品を選ぶのが最も賢い買い方と言えます。
ただし、これが選ぶのが大変なのです!
何がセットになっているかよくわからないし、写真を見て「付いている」と思ってもよく見ると「写真はイメージです」的な感じで付いてねぇ!みたいな、詐欺の一歩手前みたいな事もあります。
ちゃんとセット内容を確認して購入しましょう!
詳しくは電子ドラムの選び方の記事を参考にしてください。
例えばこちら↓は、もりもりカスタマイズされています。
まとめ:あなたに最適な一台はこれ!
ここまで、Roland TD-07シリーズの魅力と特徴を解説してきました。最後に、あなたがどちらのモデルを選ぶべきか、結論を整理しましょう。
TD-07DMKを選ぶべき人
- できるだけ初期費用を抑えて、V-Drumsのクオリティを手に入れたい人
- 部屋のスペースが限られており、少しでもコンパクトに設置したい人
- キックの演奏感よりも、手軽さや省スペース性を優先する人
TD-07DMKは、必要十分な機能を凝縮したコスパ最強のモデルですが、ドラムの練習を考えた場合一番気になるのが「スタンド一体型のバスドラム」ってこと。やっぱりここが微妙に「おもちゃ感」があるのは否めない…。
予算がギリギリ、スペースをできるだけコンパクトにしたい!そして、そこまでストイックではなく単に楽しみたい!という方は、こちらの選択肢で十分遊べます。
TD-07KVを選ぶべき人
- しっかりと練習に使いたい人
- 予算の中で可能な限り本物ドラムっぽい感じで練習したい人
- 長く使い続けても物足りなくならない、標準的なモデルが欲しい人
TD-07KVは、独立したキックと大きめのシンバルにより、前の「TD-07DMK」よりも質を一段階引き上げてくれます。迷ったらこちらを選んでおけばいいかな。
でもって、できればシンバルを1枚追加して3枚シンバルに。
あと、予算に余裕があれば「スネアを1回り大きくする」と幸せになれます。スネアだけ「PDX-12」という12インチのパッド(別売り)に変更すれば、かなり叩きやすい。結局のところ一番叩くのはスネアです。
商品セットによっては、「PDX-12」にカスタマイズしたセットも売っているかもしれません。以前は「TD-07KVX」という名前で売っていたんだけど、最近は全然見かけない。(販売終了したのかしら???)
電子ドラムの記事まとめ
最後に
今回は、
- ローランドの電子ドラムで
- できるだけ低予算で
- まあドラマー的にアリでしょう
という視点で最適な電子ドラムを選んでみました。
もちろん、上位機種であればもっと良いものがたくさんあるし、別のメーカーの製品も良いです。
色々と探してみてくださいね!色々な店舗でお得なセットを販売していますよ〜。
ちなみに、セット販売では「謎のメーカーのペダルや椅子」をセットにしているケースもあります。ちゃんと有名メーカー(YAMAHA, Pearl, Tamaなら問題なし)がセットになっているやつを選んでくださいね。
サウンドハウスでも、いい感じにカスタマイズされたセットが売っています。要チェック!
\ミュージシャン御用達!/



