一流アーティストの演奏を見て「なるほど、勉強になるなぁ〜」と思った事を実況中継するコーナー。
今回は「スティーヴ・ガッド」さんです。
動画は以前のメルマガで紹介した中から、こちらをピックアップ↓
目次
個人的な見どころ解説
ってことで、ここからは私が個人的に「お!?」と思った事をメモメモ。
あくまで個人の感想なので、人によって感じ方は違うと思うけどご参考までに。
大前提として、イヤホンとかヘッドフォンで動画をみてくださいね。ダイナミクスが素晴らしいのでスマホのスピーカーだと何やってるのか全然聞き取れません。
初っ端のピアニッシモでノックアウト
もう初っ端の入りから、「うわー、キタ〜!」って感じです。
めちゃくちゃにグルーヴしてるのに、ピアニッシモなんですね。
これ私が苦手なやつー!
小さいからって「置きにいってる」わけじゃない。しっかりとビート感があってグイグイくる。
バスドラムの表現が最高
バスドラムの音が超いいよね。でもって、ピアニッシモながら強弱がしっかりとついてる。これが凄いんだよね。
こんな静かな中だと緊張感もたっぷりで、ちょっとのタッチミスが命取りになる場面。そんな中で「余裕ぶっこいてピアニッシモで叩ける。しかも強弱もつけて…」ってのが萌えます。
しかし、ステージのセッティングが超シンプルなのに音が凄くいいよね。演奏者の出してる音がいいんだろうなぁ〜。素材の良さがそのまま出てる感じです。
クローズド・リムショットのサウンドが参考になる
クローズド・リム(サイドスティックとも言う)のサウンドが多彩だなぁーと改めて感動。
特に参考にしたいのが、前半の静かな部分。
クローズド・リムショットをする時は、私の場合は比較的「ペタッと押しつける」感じで叩きます。打った後にスティックがリムに張り付いた感じっていうのかな?
ミュートをかける感じで「カッ!」という端切れのいい音を出すイメージです。
ですが、前半部分ではミュートはせずに打った後に浮かせる「オープンショット」的な感じで叩いていますね。
そのため、少しサスティーンの残る「コーン」みたいな音になっています。
ベースソロあたりの盛り上がった場面になると、バックビートをしっかり聞かせる感じでペタっと押しつける叩き方をする事が多くなってきます。
なるほどー。状況に応じてクローズド・リムもサウンドを変化させるのか!
ハイハットの表情のつけ方にご注目あれ
ハイハットだけに注目して聞くのも楽しいですよ。これまたサウンドが多彩です。
全体的には「チッ」というサウンドではなく、少しズルっとした「ジィ」というサウンドを出しています。
さらに、ちょいと「押し付け気味」に叩いて余韻やズルズル感をコントロールしてる感じですね。
押しつける長さによって「ジッ」とか「ジィ」とか「ジィィー」みたいに色々な表現をしてるイメージですかね。
全体的にしっとりな中で「派手な表現」を担っているのが、ハイハットかなぁと思います。
というか、ハイハットだけで「シッポリ」から「大盛りあがり」までを表現するのは勉強になりますねー。
ハイハットの「開け具合」の微妙な調節にもご注目!
徐々にジワジワ盛り上がる
最初はピアニッシモから入っていますが、徐々〜に大きくなっているんですよね。
サビとかでグッと大きくなる…みたいなのは、比較的やりやすいんだけど、徐々にジワジワ盛り上がっていくって超絶ムズい。これまた私が苦手なやつー!
ここで勉強になるのが、ジワジワ盛り上がる表現は、単純に「力を強くしていく」ってわけじゃないってこと。
微妙に叩く場所を変えたり、ハイハットの空き具合とか叩き方を変えたり…みたいな、音色の変化だけでもジワジワ感がでるんだね。
私の経験だと、「力加減だけ」でジワジワ感を出すのは限界があります。というか、一歩間違えたら前半で力加減MAXになっちゃって、後半はどうしようもなくなる…みたいな大失敗もあり得ます。(→経験者は語る)
シンバルの揺れが美しい
「シンバルの揺れ」。
これ、私がドラムを叩く時にすごーく大事にしています。
バシー!っとぶっ叩くわけじゃないんですよね。シンバルを叩いた後に余韻が残ります。その「余韻をコントロールする」みたいな気持ちで、「シンバルをどう揺らすか?」を気にして叩きます。
「ジャーン!」でおしまい。ってわけじゃなくて、「ジャーン!…ン…ン…ン」みたいな余韻感っていうのかな?それを含めて叩くみたいな感じです。エコーとかディレイのタイミングを設定するってイメージ?(うーん、伝えにくい。。。)
その揺れが、スティーヴ・ガッドの演奏って美しいんですよねぇー。
やっぱバスドラムがヤバいかも
この曲、よく聞くと「あまりベースがローを鳴らしていない」ですよね。
普通はベースが低いローの音を「ブーン」と鳴らすので、曲全体の重心がズッシリと落ち着くのですが、この曲はベースは高い音のコードを弾いてる感じ。
ベースが低音を弾いてるのは、オルガンソロ後のブリッジみたいな箇所と、エンディングくらいかな?
ドラマー的には(個人的には?)、ベースのローが無いとスカスカして気持ち悪い。
バスドラムが落ち着かないというか、パンツ履いてない感じというか…、とにかく叩きにくいんですよ。
なんだけど、この曲って重心がしっかりと安定した曲に聞こえますよね。
バスドラムの音がいいし、バスドラムのフレーズが「ベースが鳴ってるように聞こえる」のかな?と思います。(→個人的には)
よく聞くと、バスドラムも結構細かくゴーストノートみたいに踏んでいるんですよね。この「バスドラムの歌う感じ」は凄〜く勉強させてもらいました!
しかし、ジミー・ジョンソン(Bass)の演奏はカッコいいなぁ。
迷いがないから説得力がある
単純に聴いてるだけだと「心地よい曲」ですが、よくよく聴いてみると「とんでもないモンスター」って感じですね。スキルが詰まりまくっています。
色々と「すげー!」と思う所があるけど、「そんな表現ができるのが当然」で「それができるスキルを持っているのも当然」なんですよね。
でもって、大事なのは「自分を信じている・迷いがない」ことだと思います。(→はい、これテストに出ますよ〜)
それが「説得力のある演奏」になっているんだなぁ…と改めて思いました。
おしまい。
最後に、スティーヴ・ガッドあるある。
「演奏終了後、スティックをすぐにしまいがち〜」
スティーヴ・ガッドのスティック。ちょっと短いけどバランスが良くて叩きやすい↓
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