プラグインやソフトウェア音源をホンネでレビューするシリーズ。

実際に買ったやつだから、良い事も言えばイマイチなことも言っちゃいます。(でも個人の感想なので参考程度にね。)

今回は「STEVEN SLATE DRUMS 5.5 (SSD5)」です。

どんなプラグインか?

STEVEN SLATE DRUMS(SSD)は、お手頃価格ながら本格的なドラム音源として人気の製品です。

とてもキレがよく、スパン!と抜けのあるサウンドで、力強い楽曲でもドラムの存在が薄れること無く、ガンガンに前に出てくる感じです。

なので、ドラマーの私としては非常に好印象で個人的には好きなドラム音源です。

ですが、SSDのサウンドは個人的にはROCK・METAL系で力を発揮するイメージなので、ジャンルを選ぶかなぁ?と思います。

値段・セール情報

価格は通常だと「$120」くらいですが、年に数回セールをやります。(サマーセールとブラックフライデーかな?)

最近だと「$99」が安値です。

以前は「$59」という激安になった事がありましたが、この安値はコロナだったからかもしれません。

なので、「セールで1万3,000円くらい」を目安にしておくとよいですね。(円安が痛い…)

甘口・辛口レビュー

サウンドの傾向

何もしなくても、ドン!スタン!とキレキレ・抜け抜けのサウンドを鳴らしてくれます。

基本的には「プリセットそのまま」で十分いけてるので、私のような「細かい音作りは面倒くさい」派には嬉しいです。

ですが、そのままだと「ちょっとサスティン感が弱い」というか「詰まった感じ」のサウンドが多いです。

デッドな部屋でドラム叩いている気持ち悪さというか、「この部屋、音を吸収しちゃって全然鳴らないし混ざらないね…」みたいな、なんとも言えない開放感の無さを感じます。

まあ、この辺は個人の好みですが、私はもう少し胴の鳴りとか部屋の鳴りが欲しいかなぁ…って感じです。

なので、曲調やジャンルによっては、必要に応じて「スネア」「キック」…とパラアウトしてプラグインを指して「音作り」をする必要があるかもしれません。

ロックやメタルだと、そのままでも十分なサウンドです。アタックがパシ!っとでるのでピッタリハマります。

ポップスとか「生」の空気感みたいなのが大事な曲調だと、ちょっと馴染まないかなぁ…。

使い勝手

使い勝手は、シンプルなUIで迷うこと無く使えます。まあ、それほど機能も多くないのでわかりやすいです。

逆に言えば、キッチリ作り込む…みたいなマニアックな事はできません。

まあ、ドラマーだからか「逆に作り込む機能なんて必要ない」ので、個人的にはシンプルが嬉しいです。

「音の作り込み」に関しては、ドラマーか非ドラマーかで違うのかもしれません。ドラマー的には、「出る音に対して演奏方法(表現方法)を変える」というのが普通のことだったりします。

なので実際の演奏の時は、
「あ、こういう音なのね。こういう鳴りなのね。」と理解したら、、、
「だったら、強くたたく。弱く叩く」とか「手数を増やす・減らす」みたいな、フレーズやダイナミクスで表現を変えちゃいます。

MIDI打ち込みだと、ベロシティの加減やアクセントの位置、ゴーストノートの手数などで対応しちゃった方が、音を作り込むより全然楽チンだったりする。

グルーヴ・フィルインパターン集

どのドラム音源にも大抵ついている「グルーヴ・フィルインのMIDI集」ですが、当然SSDにも付いています。

で、パターンは「かっこいい!」です。

かなり即戦力で使えるパターンだと思います。個人的には好みのグルーヴで、ガンガン腰に来るビートが気持ちいい。

ですが、全体的にロックな感じです。ポップとかSoulとかJazzとかのパターンもあるけど、ロックドラマーが叩いたポップス」「ロックドラマーが叩いたJazz」みたいな感じです。

拡張性

ドラム音源の多くは、音色を増やす拡張パックが別売りしています。でもって、SSDにも音色を増やすための「拡張パック(Expansion)」があります。(少ないけど…)

私が持っているのは「CHRIS LORD-ALGE(CLA)」のExpansionです。標準の音色よりも、より抜け感のある音でかなり気に入っています。

まあ、SSDを買ったら「CLA拡張パック」も持っておいて損は無いと思います。

逆に言うと、その他の拡張パックはあまり興味がないかも。。。強いて言えば「BLACKBIRD STUDIO」は面白そうだなぁと思いますので、もし次に買うとしたらBLACKBIRD STUDIOです。

ただ、BLACKBIRD STUDIOっぽいサウンドは「Addictive Drums」の方にあるから悩みどころ。。。

拡張パックの値段・セール

ちなみに拡張パック(Expansion)も、定期的にセールします。

通常だと「$149」くらいですが、最近のセールでは「$49」でした。

どんな時に使えるか?

まあ、ロック色の強い楽曲でしょうねー。
というか、ロックなら迷わずSSD使っておけば間違いない感じ。

どんな人なら買いか?

「最初に買う音源」としては、サウンド的に使うジャンルが狭いかもしれません。

俺の作る曲はロックだぜ!っていう方は全然ありですが、ポップス・シンガーソングライター的な雰囲気の曲も作りたい方は、SSDだけってのはちょっと不満が出てくるかもしれない。

たぶん「もっとマイルドな丸い輪郭のサウンドが欲しい…。ドラマー主張しすぎ!」みたいになるかも?
ドラマー的には「そんな事言わないでよ!気持ちよく叩かせてよー!」って感じなんだけどね。。。

ですが、グルーブMIDI集は結構いいのですよー。だからMIDI集の付加価値を考えると、最初に持っててもいいのかな?と思います。(結局どっちなんだ?!って感じですが…)

「Addictive Drums 2」との比較

同じ価格帯にXLN Audioの「Addictive Drums」があります。そっちと悩む方も多いかな?と思います。

結局「どっちも持っておくといいよ」なのですが、最初に買うとしたら…と考えると、、、

ポップス・シンガーソングライター的な曲を作るなら「Addictive Drums」。ドラムがそれほど主張しなくて、輪郭の丸い、無難なサウンドだから。

それ以外の、ポップス・ロック…ジャンルは何でもいいけど「ドラムがスパン!と主張てるサウンドが気持ちよくて好み」という人は、迷わず「SSD」です。

SSDはMIDIパターンもカッコいいので、ドラムでグイグイ引っ張りたい人にはピッタリハマると思います。

一番下に比較動画を貼ってあるので、参考にしてくださいね。

おすすめ度

おすすめ度
4.5

全体的にロック寄りですが、持っていて損はないです。

そのうち「SUPERIOR DRUMMER 3」とか、他のドラム音源が欲しくなるかもしれませんが「まあ、SSDで十分だな」と物欲を鎮めるお札的な効果があります。

あと「音作り込むのが面倒」とか、そもそも「作り込む知識がねぇ!」という私みたいなズボラなタイプには便利に使えると思います。

以上、STEVEN SLATE DRUMS 5.5 (SSD5)」のレビューでした。

参考動画